ブログ【竜の昇る日】デジタルサイネージってなに?

ブログ【竜の昇る日】デジタルサイネージってなに?

こんにちは。特に薄桜鬼には直接関係のない内容のブログを書きます。本づくり関連です。

今日11月4日から、東京恵比寿のスカイウォークでデジタルサイネージ小説「竜の昇る日」が公開開始されます。「デジタルサイネージって何?」と思われる方も多いでしょう。電光掲示板です。ビルに大きなスクリーン広告が流れていたり、JR東日本の社内ドアの上にもモニターがあってCMが流れていたりする情報メディア。Street & Booksという新しい企画です。

平野啓一郎氏が小説「竜の昇る日」をデジタルサイネージで公開します。全部で28話。今日から毎日恵比寿スカイウォークの左側スクリーンに映し出される小説。とっても面白そうです。観に行きたい。

同じ話が11月5日から公式ホームページでも毎日2話ずつ公開更新されます。恵比寿に足を運べない場合もWebで読むことが可能。これがいいですね。

竜の昇る日は、芥川龍之介の短編「竜」から着想を得ているようです。サイトには原文とあらすじがあるので、それを読むのも面白い。Webでは期間限定公開ですが、小説は予約数1500以上で書籍化が叶う。期間限定オンデマンド企画です。これも面白い。

商業作家さんが、こういった新しい形の書籍販売形態で作品発表するのを興味深く思っています。二年前に文学フリマで自作限定コピーSSを無料配布しながら、大手出版社で出している本を一緒に並べていた山崎ナオコーラさんも文芸同人バリバリで自由な感じでしたが、街中の掲示板で流れる小説を気に入ったら紙の本で買ってねという方法もいい。

デジタルサイネージは規模的に素人では実現困難。でも同人誌をサイトやSNSで公開して、紙の本で出すということは昔から同人界隈では普通に行われています。平野啓一郎さんは商業作家さんですが、やり方は同人作家のようでそこが面白いと思いました。

ストリートに文字というのも面白い。昔からグラフィティがストリートアートとして発展してきていますが、物語が外に貼りだされるというのは斬新な試みです。詩や短歌ではあったかもしれないけど、小説がストリートに映し出されるのはどんな感じなのでしょう。期間が短い上にコロナの事もあって都内に電車で向かうのが少し躊躇されますが、Webで読んで1日前に続きが読めるなら、恵比寿まで足を運ぶ人も出て来るかもしれません。

Webでは明日から1話と2話が公開です。読むのが楽しみ。

平野啓一郎の造語や概念造設が昔から大好きです。日本語の言葉の可能性は無限大。作品スタイルは異なりますが、町田康もやってくれないかなあ。絶対にデジタルサイネージに向いていると思う。場所は渋谷新宿あたりでいいかも。

わたしもいつか自分の書いた小説を本にして配りたいです。

ちよろず

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