ブログ【斎藤さんウォーク】斎藤さん@出稽古への道 試衛館→新宿 その2

ブログ【斎藤さんウォーク】斎藤さん@出稽古への道 試衛館→新宿 その2

【斎藤さん@出稽古への道 試衛館→新宿 その2】

再び津の守坂通りに戻って四谷大通りへ。もうここまで来ると、街が大きすぎて。

今回のログは、別の日に歩いた時の写真も一緒に載せて書いています。お天気が晴れているのが9月、曇りの日に撮ったものが10月です。

四谷大通りは、五街道の一つ【甲州街道】国道20号に繋がります。車道の案内標識などにも【甲州街道】や【多摩】などの表示も見えるので、「おおおっ」と内心嬉しくなりながら歩きました。

暫く行くと、四谷4丁目の交差点(スクランブル)へ。

ここが昔は【四谷大木戸】でした。関所ではないですが、【内藤新宿】との境に大きな木戸があって、夜間は閉じられていたそうです。幕末には木戸は取り払われていたので、木戸をくぐってはいないかもしれません。交差点廻りには【四谷大木戸】の石灯篭が置かれて、今でも少し江戸っぽさを感じます。

四谷の交差点は左に歩くと、新宿御苑で緑が見えて心惹かれますが、そのまま当時は【内藤新宿】を通ったと思うので、直進。東新宿地区。

防衛省のある「合羽坂下」から四谷大木戸までは所要時間30分から40分ぐらいでしょうか。途中の新宿歴博に立ち寄ると、プラス小一時間見て回るのにかかるかもしれません。

【内藤新宿】があった場所は、新宿通り(新宿1丁目から3丁目あたり)。日本橋から中山道を目指すと最初にたどり着く宿場町でした。ここから【甲州街道】【青梅街道】へ甲府方面の道です。

新選組が甲陽鎮撫隊として江戸を出立した時のルートも日野への出稽古への道と同じです。

慶応四年三月一日、鍛冶橋外の屯所から出発して、内藤新宿に泊まりました。大きな廓を丸ごと借り切ったと子母澤寛の「新選組始末記」にあります。これは創作かもしれませんが、翌二日に日野宿を通過した記録*1が残っているので、内藤新宿に宿泊したことは確実視されています。

現代の新宿は副都心として大きな都市を形成しています。江戸期は江戸城下からは郊外の位置づけでした。幕末になると、城下(江戸)の範疇はどんどん広がっていました。ここから先は【街道】にでるので、【江戸】を離れて多摩へ向かう時は「旅行き」のように歩いて行ったのではと思います。

四谷もそうですが、新宿も大都会です。常に凄い人出。二丁目界隈は裏通りに行くと盛り場で、呑み屋、バー、風俗店などがぎっしりです。夜の煌びやかで猥雑な風景しか見たことがないので、昼間に歩くと閑散とした裏通りが不思議な感じです。

【内藤新宿】は江戸時代は非正規の歓楽街でした。幕府が認めた「吉原」とは違い、宿場に「飯盛り女」を置いて客引きをしていました。江戸時代に何度かお咎めがあって、宿場自体が一時廃止されていた時期もありましたが、内藤新宿は大きな岡場所でした。

街歩きをしていると、よく「ここは江戸時代は遊郭があった」といわれる場所があります。

現代では、もう町並みも変わってそんな風情も風景も残っていなくても、飲食店が密集していたり、小さな映画館があったり、人々が集まり楽しむ場所というのは、ずっと受け継がれるのかもしれません。ずっと新宿通りを歩きながらそんなことを思いました。

途中、江戸期の史跡を訪ねて裏通りの太宗寺に立ち寄りました。閻魔様が祀られて、境内は江戸っぽさが残っています。

新宿三丁目の交差点(伊勢丹百貨店、LAOXがあります)ここが【新宿追分】です。

追分は街道の分岐ポイント。ここで、【甲州街道】と【青梅街道】に分かれます。目指す日野本陣は、甲州街道なので、そのまま追分を【甲州街道】側にまっすぐ新宿4丁目の交差点まで。

<今回のゴール> 新宿4丁目交差点。(ここで試衛館からルート最短で、推定1時間強ぐらい)

今回は、日を分けて歩いたので途中博物館立ち寄りがあったりで所要時間は全て2時間ぐらいかな。短いお散歩でした。

【出稽古幻想】斎藤さんは健脚そうなので、朝早くに試衛館を出たら、一時間で新宿は超えていたような気がします。宿場町は、店が開く前に通り過ぎてすぐに甲州街道に出て朝日が昇ってきた時間に、道端で朝ごはんの握り飯を食べて一息ついたりしたのではないかなあ。そんな風景が想い浮かびました。もちろん、連れは総司君で。

【感想】試衛館から新宿までの風景は現代の大都会でした。一里塚などを探しましたが、史跡は大木戸跡の石碑ぐらいで、普段伊勢丹や世界堂まで今まで買い物などで普通に歩いている新宿通りが、実は昔は大きな宿場町だったと判って新鮮な感じがしました。新宿二丁目もゲイバーがいっぱいあるイメージですが、江戸時代は岡場所だったのかと思うとまた風情が違って見えるのが不思議です。

まだまだ新宿のど真ん中。ここから次回は西新宿方面へ初台、幡ヶ谷あたりまで歩こうと思います。(1,2時間のすごく細切れ散歩になりそう)本格的に寒さが厳しくなるまでに、高井戸宿ぐらいまではたどり着きたいものです。

出稽古ウォーキングは、試衛館時代の話のプロット立てにそのまま使えるので歩いていて楽しいです。

今回は、午前中の短い散歩だったので、カフェやレストランのチェックはできませんでした。四谷三丁目の【鳴門鯛焼本舗】の鯛焼き。栗餡がおいしかったです。

ログを読んで下さって有難うございます。

江戸時代の【内藤新宿】を再現した模型をもう一度アップします。ここを歩きました。

途中右にT字に道が分かれているのが【新宿追分】です。この写真の奥から歩いてきて、追分で左折して多摩に向かっていきます。

出典 *1 「河野清助日記」

コメントは受け付けていません。
テキストのコピーはできません。