ブログ【小説更新情報】烏帽子親

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皆さん、こんばんは。明暁に向かいて番外編 烏帽子親をアップしました。

最終話に繋がるエピソードです。元に設定していた物語全体の流れで頭の中だけにあった部分を書いています。このまま書き続けると、次世代(斎藤さんの子供たち)の話まで続きそうなので、次回で番外編最終話にします(今度こそ絶対に)。

明治時代の物語は、個人的に非常に身近なものに感じています。140年前の東京。まだ近代化が始まったばかりで、目まぐるしかった世の中。想像上の話を綴っていますが、自分の生きている今に繋がっている感覚が強いです。

私は、幼少期に一緒に暮らした母方の祖父(明治末期生れ)から明治、大正、戦前昭和の話を聞いて育ちました。曽祖父は写真でしか知りません。よく覚えているのが、髷を結った町人着物姿の写真。集落のお祭りでお芝居をしたときの写真だと知ったのは最近です。その写真の印象が強くて、随分大きくなるまで、曽祖父は江戸時代の人だと思い込んでいました。母も、百歳近く生きた祖父も末子だとしても、高祖父かその父親が幕末明治初期に生きたと考えるのが妥当ですね。四、五世代前の時代。比較的近い歴史だなと改めて思います。

明治期の物語を書いているとき、遠い昔に祖父から聞いた話をよく思い出します。日常の恰好は着物や日本髪、下駄ばきが普通で、全てが手仕事で職人が豊かに暮らせたとよく言っていました。明治末期から大正時代の日本。人々がとても丁寧な生活をしていた時代。近い先祖が生きた世の中。そして、それが今に繋がっている事。歴史書に特別に記録された世の中の出来事では触れられていない普通の人々の生活。そういったもの全てが愛おしいです。明暁シリーズは、私が想像した薄桜鬼の物語の後の物語。斎千一家を通して、市井に暮らす人々、時代の空気を伝えられたらと思い物語を綴って来ました。

斗南から上京した斎藤さん一家の明治十三年までの六年間。番外編の最後は、鬼の世界の話が中心になります。薄桜鬼世界が色濃く出るようなエピソードに。シリーズの大団円になるように描きたいです。

このシリーズを書いていた期間は、壮年期の斎藤さんに萌えながら、明治期の人々を慈しむような気持で一杯でした。遠いようで近い。薄桜鬼エンド後の時代。読んだ方に現代に繋がった物語として身近に感じて貰えればとても嬉しいです。

ちよろず

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