ブログ【小説更新情報】冬来りなば春遠からじ(前編)
皆さん、こんばんは。
FRAGMENTSシリーズ冬の最新話「冬来りなば春遠からじ(前編)」をアップしました。
総司君と一緒にトレーニングに励む斎藤さん。短期間で過酷なボディ改造が行われている様子です。二人で逢う時間がなかなか取れないはじめ君と千鶴ちゃん。互いに想いが募ります。
今日は二月十八日。新暦の斎藤一さんの生まれた日。生誕年は1844年。いまから176年前です。幕末当時は陰暦なので、ちょうど今がお正月でした。斎藤さんの生まれた月は、寛政暦から天保暦に改められたタイミングで、文献によっては1844年を天保、弘化のどちらかの表記になっていて、斎藤さん自身も生年を「弘化元年」と履歴書に記録されています。正確には、天保十五年になるそうですが。誕生日は一月一日であったことは確かです。甲辰(きのえたつ)生まれ。
一という名前も生まれた日からつけられたと思います。後に「山口二郎」と名乗られたのも、幼少の頃は「二郎」と呼ばれていたのかなとも思います。山口家の次男ですし。昔の風習では元旦の出産を縁起が悪いものとして、一月二日を生まれ日とすることもあって、斎藤さんの生まれた日も、二日になっている資料を目にすることもあります。だから二郎なのかな。
今は中国の春節祭などで、二月に新年を祝う風習を見ることができますが。私の実家の母は小さい頃、陰暦でお正月を祝っていたと言います。一月にお正月を祝って、二月にも御餅を食べたり、ご馳走を作っていたそうです。山陰地方だからでしょうかね。
暦って不思議ですね。陰暦のほうが、人間の身体のリズムに合っているような。斎藤さんが生れた年から採用された天保暦は斎藤さんが二十九歳の時に今の太陽暦(グレゴリオ暦)に変るのですが、明治五年の日本国民は少し混乱していたと伝わっています。
さて、斎藤さんの生年1844年は、特に歴史的に大きな出来事はありませんが、葛飾北斎がほぼ晩年、滝沢馬琴もまだ生きていて。馬琴は本郷に住んでいたこともあって、南総里見八犬伝が、斎藤さんが赤ん坊の頃に近くで綴られていたと思うと不思議な気がします。当時の大ベストセラーでした。きっと斎藤さんの御両親も読んでいたのではと思います。
勝海舟が21歳、緒方洪庵が34歳。雪村綱道さんが、緒方洪庵より十歳ぐらい若いとして、ちょうど蘭方医学も弟子たちに拡がった頃と合致します。私の独自設定で、
架空のキャラクターである雪村千鶴ちゃんは、生年を斎藤さんより5年後の嘉永二年の同じ一月生まれ己酉(つちのととり)としています。現パロでは一歳違いで同じ一月生まれ。
さて、小説の方ですが、総司君は伊庭さんが千鶴ちゃんに近づくのを嫌がっています。真改設定の通り、総司君は伊庭さんに対して辛辣な態度。総司君は、私の勝手な解釈で千鶴ちゃんへのボディコンタクトが多いです。恋愛や男女という部分を超えて、総司君が千鶴ちゃんを抱えてしまっても、「いやらしさ」みたいな感覚を余り感じなくて。幕末のストーリーの中でも、同じ感覚です。
千鶴ちゃんも総司くんに触れられても、そんなに性的なものは意識していないような、そんな不思議な感覚です。一種の身内感覚でしょうか。斎藤さんもそんな二人を警戒していない。そんな風に描いてしまいがちです。こういった総司君と千鶴ちゃんの関係性は、別のシリーズ(奇譚拾遺集)で、ちゃんと描いてみたいテーマがあります。また幕末で新しい話を書きたい。
クリスマスから春先までの斎千を描く今回のエピソードは、「いばちづ」要素も強くて、私の中での幕末の伊庭さんがそのまま現代に生きていたらというイメージで描いています。ちー様も、原典SSLほどコミカルにはせずに、原作のちー様ルートに近くしたいなとは思いつつ。やっぱりSSLのちー様全開になりそうな(*‘∀‘)
暫くFRAGMENTS冬をアップし続けることになります。あと数話、お付き合い頂ければ幸甚です。
全国的寒波に覆われていますね。皆さん、どうかご自愛ください。
ちよろず