ブログ【小説更新情報】冬来りなば春遠からじ(後編)
皆さん、こんばんは。
FRAGMENTS冬 13 「冬来りなば春遠からじ(後編)」をアップしました。前回の続きです。
斎千にとっては試練のような日々。
二人の逢瀬が困難で、書いていても辛いです。一方で千鶴ちゃんの周りには、風間さん、伊庭さんが接近していて、ちー様は、かなりぐいぐいと強引に迫っています。斎千にとっての障害は、やはり千鶴ちゃんの父親でしょうか。これは、今書いている戊辰シリーズでも大きなテーマです。
薄桜鬼は「父親殺し」もテーマの中に持っていると思っています。エディプスコンプレックスともエレクトラコンプレックスとも違う、千鶴ちゃんが「父性的」なものを克服するのか、代替的に新選組(もしくは風間千景)に父性を求めて手に入れて行く物語なのか。どちらにもとれるような気がしています。どちらにしても、千鶴ちゃんは父親を失う(死を見届ける、見殺しにする)ことで、ひとりの女性として解き放たれる(呪縛から解放される)。綱道さんの死は通過儀礼であり、どのルートでも綱道さんは命を落とすことになっています。
私事ですが、初めて薄桜鬼(無印)をプレイした時の事を書きます。新選組の斎藤一が大好きなお友達に勧められたのがきっかけで、最初から「斎藤一」を攻略対象に決めてプレイ開始しました。
みっちりとシナリオを読みながら進めて、毎日感想を友達にLineして大いに盛り上がりました。そして、進捗を報告する度にお友達から「ねえ、風間千景出て来た?」と確認されてました。
「風間千景?新選組のひと?」
「ちがうよ。敵なの。金髪のキャラよ」
「金髪キャラはまだかも」
「その人がいいの?」
「カッコいいんだよ。風間もいいよ」
こんな会話をしていました。千鶴ちゃんの状況や、「幹部の原田さんが優しい」、「井上源三郎がおじいちゃんだよ笑」等のように、毎日のようにプレイしながら語り合っていました。とても楽しかったのを覚えています。
無印の斎藤一ルートの風間さんは、禁門の変の後にただの説明と静止ポーズで紹介されるだけです。風間さんとの対峙は二条城の夜。ルートの設定上の為か、どうしても天霧さんvsの場面が多い。油小路の変の時も、風間さんは直接斎藤さんを相手にはしないで、伏見の戦いの山中での場面が本格的な対峙場面です。風間さんは、とことん卑劣で悪徳の限りを尽くします。人間を嫌い、千鶴ちゃんの目前で新選組幹部である斎藤さんを痛めつけることに快感を得ているかのよう。
最初にプレイしたのが斎藤さんルートだった為に、攻略完了後、他ルートに行くと、風間さんは「前に思った程酷いキャラではないなあ」と感じながらプレイしていきました。途中、勿論、わたしのお友達からちょくちょく、「風間千景もいいのよねー」と推されていました。
全てのキャラクターを攻略し終えた時、物凄く感動しました。それぞれのカップリングの末路を味わって、「千鶴ちゃんは風間さんと一緒になるのが、一番うまく収まるのでは」と思いました。これは、物凄く客観的な全攻略後の感想です。
斎藤さんのEDに萌え、沖田さんとの切なさにも胸がしめつけられ、土方さんの壮大な新選組物語に感動し、原田さんルートにも癒されたのですが、鬼っ子の千鶴ちゃんが鬼の棟梁の元に収まるのが、一番幸せになるんじゃないかなと、当時姥心に思ったのです。ちー様ルートは素敵です。
その後、鬼のように繰り返し各攻略キャラをプレイしている内に、幻想が生れてメモを取り、小説を書く様になってしまいました。幻想は全て、一種感情移入過剰気味に千鶴ちゃんというキャラクターと斎藤さんとの恋愛で発展していきました。私は薄桜鬼の斎藤さんが一番好きです。
今回のエピソードは、幻想半分、ゲームを初めてプレイした時の、攻略キャラと千鶴ちゃんとの関係性を客観的に見た時の気持ちと半々に書いています。斎千ベースですが、風間さんにしても伊庭さんにしても、「攻略ルート」の中の素敵な部分を描きたいと思っています。なので必然的に風千、いばちづのカップリング要素が色濃くでています。
伊庭さんに関しては、真改で初めてプレイした時に、積み重なっている部分(幼馴染設定や千鶴ちゃんが特異体質であると認識している点)において、他の攻略キャラクターより抜きん出ていると感じました。伊庭さんの登場で私の描く斎千の世界で、斎藤さんが千鶴ちゃんを伊庭さんに取られてしまうんじゃないかと焦ってしまった程です。
伊庭さんは、ルートの物語が寓話的で一種おとぎ話の主人公のように感じています。ヒーローとしての伊庭さんは、その過酷な史実の運命と重なって史実の新選組土方さんの生き方に匹敵するぐらいドラマチックなキャラクターです。真改では、伊庭さんの寓話的な部分が特徴で、そこを扱うには壮大な「ネタバレ」を展開してしまう事になります。なので、どうしても「京で二人が再会して、千鶴ちゃんが次第に伊庭さんの存在を思い出す」という段階までしか二次創作をすることが出来ないでいます。
もう真改が出てから、数年経っていて伊庭さんルートのあらましが十分自分の中で浸透しています。そろそろ醸してきたので、機会があれば千鶴ちゃんとの寓話的な恋愛物語を紡いでみたいです。鬼について、もっと揺らがない部分を練ってから、伊庭さんの話を書いてみたい。
今回、斎藤さんと千鶴ちゃんとの絡みが少ないのが残念です。想い合う二人に春が訪れることを願いながら、続きを書いていきますね。
長々と書いてしまいました。読んで下さって有難うございます。
インフルや新型肺炎の感染拡大が報道されています。皆さん、十分な睡眠と栄養、手洗いとうがいで乗り切りましょう。
ナディショーダナは、ストレス解消と良質な睡眠がとれるのでお勧めです。
くれぐれもおいといください。
ちよろず