ブログ【小説更新情報】福良宿陣
皆さん、こんばんは。
戊辰シリーズの最新話「福良宿陣」をアップしました。
福良(現、郡山市湖南町)は会津若松城下から徒歩で七時間程の距離。白河城下からは約9時間から10時間の距離です。福良は会津街道猪苗代湖南地区の宿場で、赤津、三代宿とも近く、戊辰戦争時は会津藩、旧幕府軍が布陣した場所です。薄桜鬼ゲームでも、福良は野外陣営を布いている様子が描かれています。(以下真改斎藤さんルートのネタバレを含むのでご注意ください)
斎藤さんルートでは、流山から逃れて、土方さん&平助君と奥州道途中の山道で再会し、一旦別れた後、土方さんと再会する場所が福良の山中という設定のようです。結構ふわっとしていますね (・∀・)
流山→土方さん近藤さんと別れて脱出→土方さんに山中で再会(近藤さんが新政府軍に掴まったから、近藤さんを守りに行くという土方さんと別れる)→会津へ向かう→会津藩領に入る(新政府軍と会津は闘っているらしい)→福良山中で土方さん、平助君、相馬君、野村君と再会(土方さん足を怪我している。宇都宮で負傷した土方さん。近藤さんが処刑されたことを伝えて涙ぐむ)四月から閏四月の出来事(第四章)。
この福良の山中で、土方さんは仙台へ向かう宣言して、平助君、軽鴨たちを引き連れて行ってしまいます。島田魁さんもそれまで斎千とずっと一緒に流山から逃亡していたのに、ここで土方さんに付いて行ってしまいます。ゲームでは、福良は斎藤さんと北へ向かう新選組メンバーとの別離の地。そして、千鶴ちゃんが斎藤さんと一緒に残留宣言して、斎千が互いの想いを告白しあう場所(*’ω’*)
北上新選組の面々と今生のお別れ、そして斎千二人の世界になる夜。何度プレイしてもロマンチックで素敵。その後二人が宿陣するのが福良宿の本陣。
福良は二人が甘いひと時を過ごす場所です。
ここから、小説のお話(ネタバレ)。ゲームとちょっと異なって、福良宿陣は白河戦線最中の出来事です。二人の告白まで程遠い慶応四年六月初旬。新暦で八月。うだるような暑さの時期ですが、山間部にいると夜間は涼しかったと思います。白河戦線は第七次戦線までありますが、新選組が参加したのは、この内の五回だけで全ての作戦には参加していません。他藩との兼ね合いで会津藩外部小隊である新選組は後方待機している時期もありました。今回描いた2回にわたる攻防戦は、第三次、第四次戦。福良から羽鳥方面(大平口)への行軍。前々回のブログの地図のBルートを進んでいます。記録では羽鳥での待機中は、小雨が降り続けていたとあります。
土方さんは、記録によっては6月初旬福良に出陣となっていますが、本格復帰するのは、このひと月後、もう少し先です。小説では、小姓役に軽鴨ペアがついています。史実では少年隊士が数名一緒だったようです。土方さんの写真と刀を蝦夷から持ち帰った市村鉄之助さんもその一人。小説では、怪我で動けないという描写になりましたが、実際土方さんは精力的に会津若松城下で会津藩、旧幕府軍参謀と折衝をして武器の購入や銃の補充先部隊の決定などをしています。新選組というより旧幕府軍参謀として動いている風味が強いです。
今回相馬くんが会津から福良に駆け付けていますが、相馬君は流山後に江戸で囚われたまま九月にようやく旧幕府軍特使として北上し、土方さんに合流します。この辺りは、ちよろずルートのふわっと設定です(あしからず)
数十年前は、福良本陣跡の建屋が残っていたそうですが、今は残念ながら無くなってしまっています。野戦病院として利用された「千手院」は今も山側にあります。何度目かの行軍で、新選組が宿陣したらしく、一度訪れてみたい場所。当時の本堂は残っていませんが、観音堂には県の重要文化財「千手観音さま」が祀られていて。年に一度例大祭に一般公開されるそうです。
千手観音像の中指と薬指を折り曲げて親指と結んでいる印(ムードラ)が素敵。
白河戦線から会津戦争への流れの中で、福良は陣営地としてちょくちょく出てきます。幕末福良は会津領ではなく、幕府の預かり領でした。三代、赤津と福良の三宿だけ浮地のように会津藩ではないのが特徴。会津戦争やこれから先の決戦地である母成峠から、結構離れているのに、ここに土方さんや幕府軍が本陣を布いたのが、ずっと不可解だったのですが、幕府領だったことで、土方さんや大鳥さんたちは、資金面で負担なく自由に滞在出来たのかもしれません。郡山や二本松にも近いですしね。旧幕府軍は、抗戦準備先として気持ちがもう内陸の会津ではなく、北の仙台藩へ向かっていたのでしょう。この辺りは結構新選組としてはシビアな局面ですね。
ゲームには描かれていない太平口(羽鳥、羽太ルート)は白河戦線の後半戦で斎藤さんが果敢に戦った場所です。千鶴ちゃんも隊から離れずにいて、これから会津戦争までの重要なキーポイントとなって行きます。ゲームのルートから逸脱していますが、これから斎千が会津戦争をくぐり抜けていく姿を描きます。
二人の甘い場面を早く書きたい。それまで頑張るーーーーーー(・∀・)/
長々と書いてしまいました。いつも読みに来て下さってありがとうございます。
それではまた
ちよろず