ブログ【真改黎明録】覚悟することについて。

ブログ【真改黎明録】覚悟することについて。

こんばんは。ここのところ曇り空もあれば綺麗に晴れる日もあって、寒いですが陽の光に春を感じます。お元気でお過ごしでしょうか。

ゆっくりじっくりプレイしている黎明録ですが、Good Edでルートを終えた後にもう一度プレイし直しBad Endを選択して攻略を進めています。正攻法プレイ。真改風華伝をプレイした時は、全ルートGood Endを先に終えてから、Bad Edをまとめてプレイしてスチル回収した為、メンタルに厳しく辛かったからです。順番は大事。

黎明録をやっていて強く思うのが、同じ攻略キャラでもノーマルエンドを終えてからBad Endをプレイするのは出来る限り間をあけた方がいい。これは頭の中で物語の消化をするのに時間がかかり、同じ場面から派生していく別エンドが把握しにくいため。特に薄桜鬼は場面展開(ルート分岐)にハッキリとした違いがなくて極めて自然に別エンドや別攻略キャラルートに繋がってしまいます。慎重に台詞分岐で簡易保存しつつ、戻ってプレイし直さなければなりません。(といいつつ、そこまで厳密にプレイする必要はないです。既読プレイボタンなどを駆使すれば一度読んだ場面を飛ばして先に進められるし、編成録から各章の場面に飛んでプレイも出来るので、そのあたりは自由度が高いです)

攻略サイトを見れば簡単なのですけどね。でもそれをやると、深い部分でのキャラの心情が見えてこない。ゲームの醍醐味を半分ぐらいしか味わえなくなるので、メモをとりながら時間をかけてやり直しプレイをしています。薄桜鬼はゲームシナリオのボリュームは少なめだとおもいますが、この分岐選択を吟味していると攻略に数か月要します。ソシャゲの乙女ゲームと違い、コンシューマーゲーム機は自分のペースでじっくりプレイ出来るのがよいです。

さて、ブログのタイトルの「覚悟することについて」ですが、ここからが本題。黎明録の物語の主軸について書きます。黎明録は龍之介の人生の転換となった浪士組(途中から新選組)との出逢いと関わりが描かれ、テーマは「己の人生を生きる覚悟」です。攻略キャラとの関わりで龍之介が生きていく目的や生き方を見詰めていく。同時に攻略キャラの過去、信じる道や生き方、覚悟や迷いも描かれる。斎藤さんは、龍之介と出会った時点で「もうすでに覚悟はできている」状態です。迷いがない。芹沢鴨もそうです。

斎藤さん以外では左之助さんが比較的覚悟は出来ていますが、変若水については否定的。人生への覚悟は流動的です。左之助さんは「生きること」寄りの考え方で、死んでは元も子もないという感じ。左之助さんのバイタリティに繋がる独特の安心感があります。平助くんは龍之介以上に迷い悩みます。二人は寄り添うように議論しあって答えを見つけていく。そこが感動的です。総司くんは激しく揺すぶられています。覚悟をしながらも迷う姿が痛々しいぐらいドラマチックです。土方さんは覚悟を決めて行く姿が力強くて、新選組が出来上がっていく過程と完全に重なっていて、そこが感動的です。

龍之介は歯に衣を着せない部分があって、どんな事柄にも反発して言い返す。心の中の声も実際に言葉として発する事柄も物凄くストレートです。それが小鈴との恋愛でも発揮され、二人はぶつかり合いながらも惹かれ合っていく。原田さんが二人に絡み原田さん独自の恋愛観が垣間見られて、この後の雪村千鶴との人生に繋がっていく。そこがロマンチックです。

揺らぎのない覚悟を持っている斎藤さんは、正論を龍之介にぶつけます。無口な斎藤さんが、執拗に剣術の稽古を龍之介につけようとする。斎藤さんは剣を己の生きる道と決めていて、龍之介は鼻からそれを自分の生き方とは違うと否定します。斎藤さんは龍之介に静かに熱く問い詰めます。

「人が信じる道を貶めるなら、あんたには何かしら考えがあるのだろう」

土方さんや近藤さんが命令すれば、自分の意思に反していても人を斬るのかと龍之介が反撃すると、斎藤さんはどんな命令を受けても、そこに己の義や意思はあると答えます。

「己の判断で生きていく。それをしなければ、己が人生を生きていくことにはならないからな」

このセリフを言う時の優しく微笑む顔が最高に恰好よい。ついつい簡易保存しては鬼リピートしてしまいます。

この己の覚悟を語る場面「四章」はノーマル、バッドEdの両方とも十六夜話で観る事ができます。その後龍之介は斎藤さんルートで自分の絵の才能をみつけ開花していこうとする。絵師として生きる目的を見出します。「好きなもの」「夢中になるもの」で人生を切り開いていくのは、刀と剣術が大好きな斎藤さんの生き方に重なり、龍之介&斎藤さんルートは希望の持てる終わり方です。終章の斎千の斗南での姿も甘くていいです。

黎明録は攻略キャラによって、龍之介の人生や生業に変化があって面白い。人生の分岐を沢山持ち、それぞれの人生が深い意味を持ち明るく開けていく。どの人生を選んでも、中心に自分に正直に生きた一人の若者の姿があって、攻略キャラクターから色濃く影響を受けている。主従の関係、男同士の友情、恩義や義理人情、同時に不条理や恐怖、無能感なども味わい、きわめて濃い凝縮された人間関係の中で自己証明をして、己の人生を生きていく覚悟をする龍之介。

覚悟とくれば「迷い」。この人生の迷いの部分も大きなテーマ。黎明録では存分に描かれています。次回は「迷い」について総司君ルートを中心に書きます。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

なかなか小説の更新ができていないところを、読みに訪れて下さる方がいるのが、とても嬉しいです。いつもありがとうございます。

いま「明暁に向かいて」の番外編を一篇書いています。近くアップ出来ると思います。

ちよろず

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