ブログ【二次小説 進捗状況】永井少佐の家
お疲れ様です。
明暁シリーズの続き「永井少佐の家」を書いています。
今回は斎藤さんの間諜活動の話。
斎藤さんが監視をしている陸軍少佐永井は、以前書いたように(すみません、どこに書いたか失念しました)、旧薩摩藩士の永山弥一郎(盛弘)をモデルにしています。黒田清隆とほぼ同世代。斎藤さんより年齢では6,7才上でしょうか。薩摩藩の尊皇派志士として生きた人です。
浪士組、新選組の活動期間に京に駐屯していた薩摩藩士
できれば下級武士。
斎藤さんと斬り結んだ可能性がある。
戊辰戦争時、同じ戦場で敵味方となって闘った。
戦後は新政府の陸軍(東京鎮台)に所属した。
西南戦争に出兵した。
明治期の話の中で登場させるよう、上記のような人物を大まかに決めて探していました。斎藤さんとの接点が多いので、敵対する側に属するキャラとして永山盛弘を起用。オリジナルキャラです。斎藤さんもそうですが、明治期の歴史の表舞台にはあまり上がってこない。そこが魅力的です。
史実の永山弥一郎は、非常に優秀で人望も厚く、屯田兵の隊長にと望まれた人ですが、一歩下がって表には立たない。軍人としての振る舞いや生き方に静かな凄みがあって、だんだん当初のプロットにあった憎たらしい性格設定が消えて行ってしまっています。書きながらイメージがどんどんと変化して膨らんでいて、斎藤さんの明治八年の活動に、大いに関わる存在になってきました。史実の藤田五郎の活動は、ほとんど記録になくて、今回もねつ造満載のお話ですが、斎藤さんも含め、永山弥一郎像を壊すことのないようにと思っています。
明治八年の頃の斎藤さんの年齢は31才です。まさに働き盛り男盛り。素敵です。まだ警視庁勤めは一年ぐらいですが、巡査のお仕事、間者働きは京の新選組の経歴を含めると、もう十年以上は勤めている大ベテランです。脂の乗った時期でしょう。
華の章沿いのSSシリーズとして、いつか書きたいと思っている白河戦線の物語も、資料を調べれば調べるほど、史実の斎藤さんの行動は断片的で、「闘う刃」として生きている姿しか見えません。本当にストイックで、冷酷なまでに敵を討つことに集中しています。薄桜鬼の斎藤さんにしっかりと重なる。
小説では、家庭人である斎藤さんを描くことが多いので、診療所の斎藤さんは良き夫であり、良き父親である優しい姿を見せています。でも一歩家の外を出ると、京時代と同じ「闘う刃」であることは変わらない。明治期の斎藤さんを、そんな二面性と心の動きを通して描くのが楽しいです。
今回、久しぶりに青山先生(早稲田のお医者様で松本良順のお弟子さん設定)が登場しています。青山先生も当初は、千鶴ちゃんが明治期に職業ナースになったら、と想像した話で設定したキャラクターです。明治期に実在した名医ですが、時代はうんと後の人。松本順と蘭方医系列で繋がっていますが、直弟子ではありません。
もう大方書き終わっているので、推敲清書してアップしますね。
画像は、古書店のご主人に貰った永山弥一郎の古写真(ネットに出回っている画像の方が鮮明かも)でもプリントで見ると、古写真は存在感があっていいものです。斎藤さんの写真も実物大レプリカプリントがあれば、きっと素敵でしょうね。