ブログ【二次小説 更新情報】脱出
戊辰シリーズその9「脱出」をアップしました。慶応四年四月三日の暁。流山の駐屯所は薩軍に取り囲まれます。五兵衛新田から移って三日目のこと。
ここで新選組が分解してしまいます。以下四つのグループに:
1. 近藤さん(野村利三郎が随行)
2. 土方さん(相馬主計が随行)※史実では島田魁、中島登が一緒
3. 斎藤さん(千鶴ちゃん、島田魁、他隊士120名弱)
4. 平助くん、山南さん(羅刹隊70名ぐらい?)
小説では3の斎藤さん率いる新選組にスポットを当てて行きます。流山には三日間しか駐屯していないという設定です。この辺りの記録は、近藤さんや土方さん中心のものしか詳細なものは残っていなくて、斎藤さんは五兵衛新田や流山の名簿に山口二郎、斎藤一の名前はなく、おそらく甲府の戦の後、久米部正親たちと一緒に早々に会津に行っていたのではと推測されています。
ゲームでは斎藤さんは流山から千鶴ちゃんと無事に脱出しています。華の章の大きな分岐ルートです。流山で「土方さん、近藤さんを救いに戻る」か「会津に行く」の選択で、急展開します。今回のエピソードは、ゲームの展開で描かれていない部分を描きました。季節は初夏に近い頃。流山脱出が新暦で4月26日。会津若松入りが5月6日。現在だとGWのいい季節です。会津はまさに春が訪れた頃。梅も桃も桜も、花という花が一気に咲き誇る美しい季節です。
斎藤さんが千鶴ちゃんや隊士を引きつれて逃走したルートは実際に先陣隊が北上したルートです。流山から真東の方向へ5時間ぐらい歩いて布佐まで。そこから利根川を舟で下って銚子へ。銚子の宿では官軍に再び取り囲まれて、明け方に脱出。そこから水路で土浦あたりまで北上。新政府に恭順した藩領を通るときは、本道を避けて間道を引き返したり紆余曲折の末、勢至堂峠まで辿り着きます。険しい山道をひたすら歩いて、野営もしていたらしく。まさに決死隊。結果、ほぼ全員無事に会津に辿りついています。勢至堂峠を越えてからは、会津藩に大歓迎され新選組は手厚く扱われます。この行軍を経て、斎藤さんの意識は【会津を守る】方向にどんどん傾いて行ったのではないかと思います。【会津新選組隊長斎藤一】の誕生です。
上に書いた、1,2,4.のグループについては、折に触れて書いていきますね。華の章は土方さんルートが史実に近いかなあ。アニメ碧血録もいいですね。七話は斎藤さんエピソードで大好きです。
ちよろず