ブログ【更新情報】冬の十五夜
あけましておめでとうございます。昨年暮れから寒さが厳しいです。お元気にお過ごしでしょうか。
斗南にてシリーズの新作「冬の十五夜」をアップしました。明治四年初冬、「吉祥果」の続きのエピソードです。
以下ゲームのネタバレも含む考察です。記事をたたみます。
よく考えてみると、全てのシリーズにおいて風間さんルート以外は人間と鬼の恋物語で、言うなれば「妖と人間」「異形との恋愛」です。異形っていうと、少し差別的な響きがあるけれど、原田さんルートでは千鶴ちゃんがそこに引け目を感じていて、二人の間の障害にもなっています。原田さんは唯一、千鶴ちゃんの傷が癒える事に驚く場面があります。ただ単に驚いていて、それを異質なものとは捉えていなさそうですが、原田さんは千鶴ちゃんの鬼の特性には気づいています。原田さんルートはそこらあたりの描かれ方が切なくて好きです。
斎藤さんに関しては、千鶴ちゃんが屯所で羅刹に襲われた夜にその場には居合わせていません。対応するのは土方さんと原田さんと永倉さんです。翌日に傷は治りますが(鬼の治癒力)、斎藤さんは朝の内に屯所を出て行ってしまいます。実質、千鶴ちゃんがどれだけ回復が早かったのかは粒さには見ていない。その後、半年以上離れ離れになって、斎藤さんが戻っても数日後天満屋に行ってしまい、そのまま伏見に移ってバタバタしている内に戦が始まってしまいます。
伏見の戦いの夜に羅刹化した斎藤さんは、意識としては「俺は人ではなくなった」という気持ちが強くて、千鶴ちゃんが鬼であることはあまり気にかけて居なさそうです。
これはその後の展開の中でも殆ど言及されない。千鶴ちゃんが「わたしは鬼ですから傷はすぐに塞がるから大丈夫」と云っても、斎藤さんは身を傷つけてしまった上に血まで啜るのは不甲斐ないと思っていて。罪の意識に繋がっています。鬼の特性や鬼であること以上に雪村千鶴を傷つけてはならんと思っている節がある。
二人のED後を綴る際、どうしても千鶴ちゃんの鬼の特性や、鬼の姿になる場面は避けられないなと思っていました。ずっと長く、斎藤さんは千鶴ちゃんが「鬼であること」をどう受けとめているのだろうと考えてきました。二次創作脳でそのあたりを妄想しています。今回はそのあたりを描いてみました。
久しぶりの小説アップで、清々しい気分です。今年はもうちょっと更新頻度を上げたいなと思っています。本にする作業も進めたいです。
こちらまで読んで下さってありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
寒波が続いているので、風邪など召されませんように。
ちよろず