ブログ【大人向けコンテンツのこと】

ブログ【大人向けコンテンツのこと】

当サイトに掲載している作品には大人向けコンテンツを含む小説があります。

投稿型サイトに小説をアップしていた頃は、性的描写のあるものは、R-18設定で投稿していました。R-18の定義は映画、小説、ゲームなど、それぞれレーティングの基準が微妙に違っています。映画は海外のレーティング基準や国内では映倫が定めているものがあって、映画館での鑑賞においては、日本は年々厳しいものになって来ているとおもいます。小説やゲームコンテンツの規制については比較的緩やかだと私は個人的に感じています。

映画の話になると、ブログの趣旨とも外れるし長くなるので、比較だけにとどめて。ここでは、小説に関して(主に自分の二次小説について)だけ書きます。ゲームも映画と同じで販売元が定めるレーティング基準が存在するのでここでは言及しません。

当サイトでは「性的な表現、描写のある作品」には閲覧制限を設けています。未成年には見せないように年齢制限は20歳以上。通常のR-18より年齢条件が高めです。もうひとつの条件は、大人であること。これは、コンテンツを読む上でのことです。

厳密な意味で、ネット上のものは誰からも見られるものだと認識しています。投稿型サイトのユーザープロフィールに「中学生です」と書いてあっても、「R-18」を普通に閲覧しているユーザーがいる現状、フィルタリングがある程度は働いているとしても、あってないようなものです。見せる側の立場としては、閲覧する側の良識に頼るしかありません。

当サイトでは、Age gateという認証システムを導入しました。生年月日のデータを入力していただいてからの、パスワードでの二段階認証です。既に、メールで保護パスワードのお問い合わせをして頂いた方には、大変ご面倒をおかけしますが、認証画面が出てきたら、生年月日のご入力をお願いします。パスワードは、以前提供したものと今日現在変更はございません。

さて、コンテンツを読む上で、大人であるということ。これは年齢での線引きに比べて曖昧な定義です。

自分が作品を書いて見せる側の立場になってから、小説の「大人向けコンテンツとは何か」を考えるようになりました。これは、ずーっと長く考え続けていて、未だにはっきりとした答えが出ていないです。投稿型サイトの規定では、 「性行為を想起させるもの」はR-18ということです。 同人イベント主催会社である赤ブーブー通信社の定める R18 基準に照らし合わせると、 【性行為や暴力などの激しい直接描写】を含んでいるか、 暴力表現、残酷表現も細かく規定されていますが、イマイチしっくりこない。そこで、 R-18 は「現役高校生」に自分の小説を読ませることが出来るかで判断することにしました。

中高生、無理です。高校卒業して18歳、19歳。無理。20歳、うん、大丈夫かなあ。学生さんとして、大学生、専門学校生かあ。じゃあ、就業している社会人だと、どうかなあ。

これが正直な感覚です。すみません。20歳といっても、まだ不安を感じないといえば、嘘になります。じゃあ、21歳は? 十分大人ですよ。もうこうなってくると、この基準ってなんなの?となってしまい、自分の基準も曖昧でなにも根拠になっていない事に愕然としました。

同人誌を作る人の中には、判断に悩むのが嫌だからR-18作品を一切描かない、書かないという人もいます。でも、私は斎千の書きたい物語の進行上、どうしても避けられない部分なので書く事に決めました。そして、この曖昧な判断は、結局自分が18歳だった頃、20歳だった頃、もっと幼い中学生だった頃の自分の読書体験と受けた衝撃、興味について思い出すしかなくて、改めて読む側の立場への影響を考えてみました。

自分の中高生から二十歳ぐらいまでの読書遍歴を思い返すと、随分と年齢にそぐわない本を読んでいました。二次創作には一切触れていませんが、高校生の時に「ガロ系」漫画に耽溺していたので、暴力的、残酷なものを普通に読んでいました。花輪和一さんの作品など、ショックを受けながらも、物語性の高いものには、痛く感動していました。小説については、性描写のあるものを貪欲に沢山読んだ方だと思います。どれも普通に図書館で借りられるものですが、親は困った顔をしていました。こっそりカバーをつけて、谷崎の痴人の愛や澁澤さんの翻訳小説などを (;^ω^) でも本屋で買える書籍なので、今の同人誌より閲覧に制限はなかったです。ラッキーですね。

そして、その時の衝撃や興味は、その年齢独特のものでした。中学生なら、その時に理解できるだけの衝撃や興味で、高校生もそうです。よくも悪くもなく、年齢相応のものしか得られない。ただ、読む読まないの判断として、一度読んでしまうと、その経験は消せません。人生のトラウマになるような作品。見たくなかった世界を見た後は、元には戻れないです。たかが、小説ですが、脳みその中に刻まれた記憶は、自分の経験になります。これだけはどうしようもないです。

私は、子供の頃から読むことには好奇心旺盛で、怖いもの知らずでした。ただ、澁澤さんが翻訳した「O嬢の物語」については、15歳ぐらいでしたが、非常に読むこと自体に当時背徳性を感じていました。書かれている内容は、初めて触れたサド、マゾヒズムの世界で、隷属する欲求=愛というものがあるのだと知って食欲を失くすぐらいの衝撃でした。「O嬢」もですが、19歳の時に同級生(バリバリのフェミニズム研究家)にすすめられたエリカ・ジョングの「飛ぶのがこわい」も、当時は子供の自分が読んで、どれだけ「性愛」の部分を理解しているのだろうと疑問に思いながらも、オトナの性愛を垣間見ることに、興味をそそられて面白かったです。

他に、P.モディアノの小説も、描写というより映像のように見えるヒロインの仕草がエロチックだったりします。読む側の頭に浮かぶ像が非常に卑猥だったりするのです。これは、小説の力。行間から漂うものです。そして、こういった部分は、読む側が年齢を重ねるとより深まります。それは、性体験を実際に自分がする、しないに関わらず。人間がより長く生きたことで感じるようになるものです。不思議です。

こういった小説の力自体が、「性行為を想起させる」に繋がるのでしょう。そして、それがR-18基準に引っかかるのなら、私の書いた小説、あからさまに「性交」を描いていないものでも、R-18となると判断しました。「画美人」がそうです。あれは、読む人によっては、「なにこれ、ぜんぜんエロチックではない」と思われるでしょう。これは小説の行間の力がないから。斎藤さんと千鶴ちゃんのエロチックな部分を描きたかったので、わたしはもっと精進しないといけません(・∀・)

シリーズものなどで、全年齢に全てのエピソードを読んで貰えるように、性描写を一切欠落させた場合、物語を100%語れるかとなると、そうもいかない。このようにR18規制の為だけに、大事なNarrative(語り)の部分を削るのは馬鹿らしいです。これは旧サイトで同じ話をR15とR18で書いた時に判ったので、もう二度と削ることはしないです。

随分前に大好きなシナリオライターさんに小説の書き方を習った時、プロットシートの作り方を学びました。必ず、ターゲット読者を設定して、何を伝えたいかを明確にするところから始めます。私は、読者を20代以上の大人の女性(薄桜鬼が大好き、斎千が好きな方、ロマンチックな展開を期待している)を想定しています。全ての作品がそうです。オトナ向けに書いています。たかが二次小説(それも主要な登場人物や設定を他人様の作品から借りて書いていながら)ですが、そこは譲らずにこれからも書いて行こうと思っています。

このような理由から、小説の大人向けコンテンツ。公開するとなるとレーティングは難しいです。

私の書くものは、たかが二次小説です。でも、もし読み返して貰らえるなら本当に幸せ。その時にまた違った何かを感じて貰えれば飛び上がるぐらいに嬉しいです。わたしは、「飛ぶのが怖い」を30代になってからもう一度読んでみました。(特にそれまでに大した人生経験をしたわけでもないのですが、)2回目は笑いながら読むことができました。ウディ・アレンの映画のように、衝撃的だった性描写が軽妙で笑える「オトナな話」だったことに気づけて嬉しかったです。そして、それは19歳の時に多少難解に思いながら読んだ体験なしには感じられない感慨でした。

長々と書いてしまいました。皆さん、もし大人向けコンテンツについて、なにか思う事、コメントなどあればいただけると嬉しいです。R18を読むことが恥ずかしいと感じる方もいるかもしれませんね、でも大丈夫ですよ。みんな好きですから(* ´艸`)クスクス

恥ずかしさとエロティシズムは裏返しで、人間の素敵な感情です。

そこらあたり、うまく描きたい。私の小説の目標です。

ちよろず

(追記)

暴力、残酷描写について、書くの忘れていました。薄桜鬼に関しては、原作ゲームで流血、血しぶきなど、効果音も相まって結構きつく描かれています。なので、小説で書く事に全く抵抗なく描いています。陰惨な場面(死にまつわる部分)が美しさやロマンティシズムにも繋がっている。薄桜鬼の最大の特徴です。二次小説でも、そこは原作世界を踏襲しています。大好きな部分です。なので、あまり執筆公開に自己規制をかけていません。その点を気持ち悪かったり、不快に思われたりしたら、本当にごめんなさい。

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