ブログ【小説更新情報】強くなるために

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皆さん、こんにちは。

FRAGMENTSシリーズの最新話「強くなるために」をアップしました。

赤坂のジムトレーニングを止めた斎藤さんと総司くんですが、二人は別々に退会の報告と挨拶を関係者にしています。総司君はトレーニングとアメリカ行きの準備で忙しい頃。この二人はずっと一緒に行動しているようで、実はそうでない。不思議な関係性です。

いろいろな意味で先を見越して行動している総司君ですが、やはり試衛館道場や近藤さんを守る為に剣術大会で優勝することを目指しているのかな。山南さんとの繋がりも、土方さんが心配しているように、必要であれば、近藤さんや土方さんの命令は無視してでも変若水を利用する。そんな危うさがあります。

山南先生。SSLでは、とてもコミカルに描かれていて。保健室では、謎の変若水をやたらと生徒に飲ませようとする。怪しい保健医像が可笑しくて。保健委員の山崎さんがそれを監視しているのも、面白かった。意外に原田先生とつるんでいたり、保健室は生徒の憩いの場みたいに描かれていたりと保健室の場面は面白いです。山南先生は千鶴ちゃんに優しい印象が強い。ちょっと怪しいけど。

小説では、山南さんは保健医をやめて現代版変若水研究の道をまっしぐらに進んでいます。総司君と山南さんは、確固たる信頼関係を築いている。これは、無印での私の印象です。共通ルートの早い段階で、山南さんが大坂の乱闘で左腕を負傷してから変若水を飲むまで。羅刹になってでも新選組の為に力を尽くしたいと思っていることを一番理解していたのは、総司君だったと思います。

手段を択ばない。強くなるためなら。

その道を阻むものへの容赦のなさは、山南さんの羅刹化と同じ頃に労咳に罹り、健康を損ねたことでの不安感や焦りで更に強化されていきます。山南さんが先に変若水を飲んでいて。闘う為の手段の一つとして、変若水を抵抗なく受け入れていた。同時に総司君の剣の腕への山南さんの信頼は強く、評価は非常に高かったので、二人の繋がりはそこを基盤にして成り立っていたと思います。

FRAGMENTSでは、無印や真改の共通ルートのキャラクターの関係性を基に描いています。総司君のドーピング疑惑と山南さんとの関係。土方さんや斎藤さんは、一歩離れた所から探りをいれて確かめようとする。微妙な人間関係で成り立つ現代の試衛館道場の面々は、想像していると面白いです。

それにしてもこの冬シリーズ。千鶴ちゃんがめそめそしていて。どうしちゃったんでしょう。自分で書いていて、こんな事を言うのも変ですが、幕末の頃の彼女の意志の強さは何処に行っちゃったんでしょう。現代人の千鶴ちゃんが、ここまで弱いのが不思議です。家との結びつきがここまで彼女を縛り付けてしまっているのかしら。

鋼道さんの存在は大きいですね。幕末では、父娘の絆より強い関係性を新選組幹部と築いていることで、「父離れ」が自然に出来ているけれど、現代の雪村診療所での様子を見ていると、なかなか難しい。でも、父親か恋人かという選択を千鶴ちゃんに課すのも残酷ですね。

どうなるのかなあ。雪村父娘がどうなっていくのか行く末を知りたいです。

斎藤さんと千鶴ちゃんの行く末も。伊庭さんもどうなるのでしょう。

今回のシリーズも終盤に近くなってきました。続きを書いていますが、いろいろ盛り込みたい事を放り込んで書いていると、支離滅裂になってきています。ちゃんと整理して進めますね。

話は変わりますが、土曜日の「菜の花忌シンポジウム」を見て。やっぱり、土方さんは女性をぽーっとさせる魅力があるのだなと思いました。唯一の女性パネリスト、女優星野知子さんが「燃えよ剣」の小説の主人公もそうですが、史実の土方歳三さん、いい男ですねと嬉しそうに頬を染めてコメントされてました。同郷の河合継之助の見た目に苦言するのが酷いなあと思いつつ、「土方歳三は、ハンサムでお雪との恋も素敵」と語るのは乙女ちっくで微笑ましかったです。

磯田先生の分析はやはり興味深くて、土方さんも河合継之助も武士でありながら、非常に進歩的で自分律でさっさと動いた人。現代人にも必要な強さがあるという締め括りでした。作家の黒川さんが、史実は置いておいて、司馬さんの小説の台詞(方言を含む)、地の文、殺陣場面が上手ですと力強く言っていたのが印象的でした。また来年の菜の花忌も楽しみです。

ちよろず

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