ブログ【小説更新情報】白岩

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こんばんは。お疲れ様です。

戊辰一八六八 その20「白岩」をアップしました。

白岩は、南会津下郷町白岩がモデルです。羽鳥より更に西に行ったところにある山深い場所。ここが小説の中での雪村の郷のある場所としました。小説の中では、位置的にもう少し、北の湯川辺りですが、白岩という名前が気に入っています。

ゲームで雪村の郷が白河の外れにあることが言及されていて、ずっとどの辺りだろうと考えていました。物語の設定上、幽邃で人里離れた場所。別のシリーズで、仙台田村家の鬼塚と結界で繋がっていると書いたのですが、その時は細かく場所を特定せずに書いていたので、今回は物理的な位置決めに随分悩みました。

白河の闘いの終盤は、「浜通り(太平洋に面した海岸を持つ藩)」と「中通り(二本松、棚倉藩)が落城して、内陸に位置する会津は最後の決戦地となります。白河から東側が、仙台からの直線の通り道と考えると、雪村の郷が東側にあることが考えられなくなりました。雪村の郷の鬼塚と仙台一関の田村の鬼塚と結界で結ばれているという設定を活かす為に、白岩はイメージ通りの位置にあって山深く、最後までその自然が守られた場所として描くのにぴったりでした。

今回は、物理的に斎藤さんと千鶴ちゃんが離れていて、二人のいる位置を決めるのに手間取ってしまいました。風間千景が現れる場面も、書き進めながらだったので、どこがどうなるのかが自分でも未知のままでした。

私の中での風間さんは、絶対に人間の戦の最前線には出て行かない。戦場に出向く時は、何か強い目的や理由があって。決して、人間の戦に関わろうとしません。勿論、風間さんの戦闘能力が高い事、兵術や兵法にも詳しく優秀であることは、薩摩藩も知っています。それでも、風間はその力を決して人間に貸すことをしない。そんなイメージがあります。なので、小説の中では戊辰の戦に対して終始「不承不承」な態度を見せるように描いています。

風間さんは、どこか気だるいイメージもあって。物理的に動かないです。動くのはもっぱら天霧さん。そして、一番モビリティの高い不知火さんが出て来る。不知火さんは、動かないちー様の代りに、縦横無尽に動きます。不知火さんは、状況の移り変わりの説明役も兼ねていて、物語を進めるのに欠かせません。

そんなちー様ですが、千鶴ちゃんの事となると、よく動きます。斎藤さんから見ると、風間千景は略奪者であって斬らなければいけない敵です。千鶴ちゃんを奪われてはならない。風間さんからすれば、奪ってでも千鶴ちゃんを守りたいと思っていて。千鶴ちゃんと雪村の郷はセットになっている。斎藤さんの想いも風間の想いも、千鶴ちゃんを巡って強いものですが、風間千景の背負っているもの(鬼世界全て)はある意味、もっと大きいものかもしれません。

今回は、大まかなプロットしか決まっていなくて、まさか千鶴ちゃんが焼き討ちにあって死にかけて、それを風間さんが助けるとは思ってもみなかったです。斎藤さんともっと早くに再会する(がっつり抱き合って再会を喜び合う)と思っていたので、なかなか斎藤さんが出て来ず、あれ、あれっという感じで、自分で書きながら拍子抜けしていました。それ以降の展開はいつもの筆まかせで書き進めたので、これでいいのかしらん(・∀・)というのが、書き終えた感想です。すみません。他人事で。でもいつも浮かぶ場面は、私でない誰かが映像で見せてくれているような感覚なのです。たぶんダイモン的な誰かなんでしょう。私は書記のように記述しています。

まだこの時点では、斎藤さんは白河の闘いは終わっていないと思っていると思います。斎千の恋心はまだ燃え上がっていないみたい。早く、はよ燃えて、と思ってしまいますね。

ほんとに、自分で書いているのに、こんな事をいうのもなんですが、もっと斎千が劇的に再会して気持ちを確かめ合うぐらい盛り上がることを期待していたのに残念。なかなか二人の想いは繋がらない。

少し、小説のイメージ裏話を。

白樺の林の場面は、昔見た映画「僕の村は戦場だった」のイメージから得ています。もう何十年も前、まだ高校生だった頃、シネフィルの母親に名画座に連れられて観た映画。当時、物語の内容より、主人公の見る夢のようなイメージの連続が美しくて大層感動しました。映画は、時折、本筋にあまり大きく関係のない場面がハッとするぐらい美しく印象的だったりします。白樺の林で、マーシャ(従軍看護婦)が一緒に逃げていた将校の一人に塹壕を跨いだ時に抱き上げられキスされる場面は、ロマンチックながらも強引なレイプに近いもので、当時母の隣で見るのが恥ずかしかったのを覚えています。

大人になってから見ると、この映画も随分印象が違いました。とても残酷ですね。私は小説では戦争を肯定も否定もしないようにと思っていますが、人が殺し合う事の意味は自分の中で問いかけながら書いて行こうと思っています。

これから物語は、白河を離れて会津での戦線に移って行きます。続きは戊辰戦争の新選組を、斎千を中心に描いて行きたいです。

次こそは、斎藤さんと千鶴ちゃんの甘い場面を書きたいです(*’ω’*)はよう、くっついて欲しい。

それでは皆さん、良い週末をお過ごしください。

ちよろず

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