ブログ【小説更新情報】玉の緒
皆さん、こんばんは。
戊辰一八六八 その25「玉の緒」をアップしました。シリーズ番外編です。
「五月闇」で上野戦争後に八瀬に運ばれた原田左之助の物語。
完全な独自ねつ造で展開したエピソードです。原田左之助が不知火匡とつるむきっかけになった小岩井の関所での乱闘後の物語。「五月闇」では不知火の一存で瀕死の原田さんが八瀬の千姫の元へ運ばれました。不知火は、人間と鬼の分け隔てなく、「筋の通った漢気のある懐の深い者」を信頼します。
千姫のおさめる八瀬の郷は女系の土地。郷に生まれた男子は幼年に達すると入山し、童子衆として暮らします。女たちしか居ない郷は平穏で長閑。古風な佇まいの千姫の御殿や天真爛漫な八瀬の女鬼たち。本来なら異分子である人間の原田さんが、八瀬の郷で女たちの人気をかっさらい、郷の自治の手助けをしていく姿。そんなイメージで物語がどんどん膨らみました。
この物語が不知火匡と原田左之助の「美しい友情のはじまり」であることは確かです。風来坊の不知火が失った腹心の友と見ようとした水平線の向こうの風景。満州に渡った左之助さんとこの先一緒に見に行くことになるでしょう。
久しぶりに小説をアップ出来てとても嬉しいです。
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ちよろず