ブログ【函館に行ったこと】

ブログ【函館に行ったこと】

こんにちは。サイトにお越しいただき有難うございます。

数年前に函館に弾丸旅行した時のことをブログに書きます。Go toトラベルが始まった頃で、薄桜鬼好きなお友達と早朝に羽田を発ち函館空港から車で江差町に向かいました。

途中「あっさぶ道の駅」で休憩。

メークイン発祥の地。新鮮なお野菜や物産が沢山。お買い得品がいっぱいです。ここで南瓜やジャガイモを箱買いして自宅に発送しました。

朝食かわりに「ひこま豚スパイシーコロッケ」を食べてお腹がいっぱい。いざ、江差町へ。

開陽丸記念館。幕末当時の設計図を基に復元された三本マストの大きな軍艦です。500人収容可能。

艦首

艦内2階が入口。順路の最初に大砲と弾丸が展示されていて、その大きさに驚きます。クルップ式砲は射程距離が4キロメートルあったそうなので、相当な威力。艦内は沢山の史料展示がされていて見るのに夢中で写真を撮るのを忘れてしまいました。一部は体験型展示。通常は砲弾のレプリカを手にとることができたり、ハンモック(寝台)に実際に横になることが出来たりするようですが、コロナ感染予防で全て中止になっていました。

開陽丸はオランダで造艦。進水式が文久三年九月(浪士集まりが新選組を拝名した頃)慶応二年六月に幕府に引き渡されているので、日本に来たのは第二次長州征討のころ(本願寺屯所時代)。文久二年、オランダで造船発注する際、日本から派遣された留学生の中に榎本武揚や澤太郎左衛門がいます。翌年、開陽丸が竣工し留学生たちを乗せて日本に向かいました。

開陽丸が新選組と関わるのは、鳥羽伏見の戦い以降です。大坂城から江戸に将軍慶喜が戻る時に乗船したのが開陽丸。艦長は澤太郎左衛門。その後、開陽丸は品川沖に碇泊しますが、江戸城引き渡しの際、榎本たちが率いる幕府海軍は艦隊を引き連れて脱走します。その間、新選組は甲府で戦い敗走、流山を経て、土方歳三は旧幕府軍に合流して陸路を宇都宮へ向かいます。土方さんは9月に会津戦線を離れ、仙台へ向かい新選組は仙台で幕府海軍と合流。その後蝦夷へ向かいます。(この時、土方歳三と新選組隊士が乗船したのは幕府の輸送艦タッキャン号)

これは竹橋の国立公文書館所蔵資料。開陽丸資料館の展示物ではありません。旧幕府軍が箱館に上陸して一帯を占領していった様子がよくわかります。

旧幕府軍が箱館の港に上陸した様子はこういった資料から「侵攻」に近いような気がします。旧幕府軍は五稜郭を占拠し、土方歳三は陸路を松前藩へ侵攻。蝦夷共和国総裁となっていた榎本武揚は艦隊を江差へ向かわせます。開陽丸があれば、新政府軍が攻めてきても鬼に金棒(だったはず)。ですが、嵐で艦は座礁してしまいます。

開陽丸は沢山の砲弾や弾薬を積んでいたので、榎本武揚は荷物の引き揚げを命じて回収していたようです。復元された艦内には、70年代に行なった大規模な遺品引き揚げ作業、遺品の洗浄過程などが資料として展示されています。海洋考古学はロマンがあっていいですね。

2階は幕末の情勢から開陽丸をめぐる人々についての史料が豊富です。艦内は少し暗めの照明ですが、明るい一角があります。

船内会議の様子。榎本武揚と土方歳三の姿。そこにリアルに立っているかのようでした。

残っている写真から再現している表情。ワックスミュージアムみたい。

釜次郎さん、三白眼っぽい上目遣い。そして、ヅラの糊が。

糊が気になる。

土方さん。ちょっと肌の質感がドライですね。誰かに似ている。小泉純一郎元首相。ヅラっぽいけど、糊はみえない。

この手のポーズと微妙に合っていない艦服のサイズが気になりました。日本舞踊のポーズみたい。小柄。和泉守兼定っぽい刀のくたびれ具合がよいです。現存している箱館で撮影した土方歳三の写真はブーツイン。なのでズボンの裾がこんな風だと別人のように感じてしまいます。

余談ですが、横浜開港資料館に展示されていた榎本武揚の海軍礼服は絢爛豪華で素敵でした。肩のフリンジがキラキラと輝いて袖の折り返しに施された金モールは美しい模様になっています。箱館戦争後の明治政府に仕官したころの姿。蝦夷共和国の頃はこれぐらいシンプルな艦服だったのでは。

開陽丸に土方歳三が乗船して会議をしていたとしたら、タイミング的には蝦夷に向けて仙台を発つ前かな。江差では再びの乗船は叶わなかった。甲板や機関エンジン室などを歩いたかもしれない。そんな風に思いながら、艦内や甲板を隅々まで歩いてみてまわりました。

江差では「嘆きの松」がある旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)に立ち寄りました。開陽丸から車で5分くらいかな。いにしえ街道沿いにあります。

嘆きの松。立札まであって史料のような扱い。(土方歳三が拳で悔しがって叩いたというのは後の創作です)

江差町は海岸沿いに鰊番屋っぽい建屋が並んでいて地域性を強く感じます。

開陽丸が座礁した場所あたりを見下ろす風景。空も海も真青で本当に綺麗。

郷土資料館の中はなかなか見ごたえがありました。建築物としての構造の説明が興味深い。建屋も素敵ですが、内装もウィリアムモリス風の壁の装飾がとても感じが良くてこんな家に暮らしてみたいなと思いました。歴史的資料も豊富で、裏に当時の牢獄が再現されていました。とても狭くて寒そうでした。

いにしえ街道から離れてすぐの所にあった食堂でスープカレーを食べました。骨付きもも肉がそのままどーんと入っていてボリュームたっぷり。サフランライスもお皿にたっぷり盛られています。身体が温まりました。ランチの後は、海岸沿いに松前へドライブ。

広大な海が右側に拡がり気持ちよかった。松前城と松前藩屋敷を観光して函館市街地へ戻りホテルへチェックイン。もう陽が暮れていました。

ホテルで夕食後に、友達とまだ元気があるから函館山の夜景を見に行こうと思い立ちホテルで観光タクシーをチャーターしてもらいました。2時間ぐらいのツアーでしたが、夜景も綺麗に見えて函館山のライトアップされている教会や観光スポットをまわりました。函館はあの特徴のあるトンボロ地形が素敵です。ブログのトップ画像が湯の川方面を望んだ方角。トンボロの幅が狭いところは1キロメートル。寒かったけど空気が澄んでいて美しい夜景を堪能できました。

翌日は碧血碑に行く前に土方歳三石川啄木資料館に立ち寄りました。(湯川のホテルから近かったため)啄木の史料のほうが豊富で興味深いものがありました。新選組や土方歳三の展示は見た事はみたのですが、殆ど記憶にない(ということは非常に印象が薄かったのか、友達と喋ることに夢中になっていたかのどちらかです)

碧血碑。大きくてとても高い。ここから見下ろす海や函館市街地が何とも言えない気持ちになります。戦に命を投じた人々の魂の碑。

弁天台場跡は湾内の風景が見通せず、工場の裏口にある駐輪所で、台場跡を想像するのに大層力がいります。(でも空や湾内に向かって立つと、なんとなく想像できる。よくある跡地での妄想力が問われる場所でした)

当時より、埋立てが進んで台場周辺の地形は変わったのかな。湾内を臨むには、建造物を迂回しなくてはならなくて、ここは上空から俯瞰するほうがいいかもしれません。

土方歳三の供養碑

称名寺にも立ち寄りました。土方さんの供養碑に手を併せてから一本木関門へ。土方歳三終焉の地。ここも廻りは建屋や小さな公園があって、広々と草原が広がる当時の戦場を想像する妄想力との闘いでした)

供花がいっぱいで綺麗に掃除されていました。

ここから、市街地の中心を通り五稜郭タワーへ移動しました。人が多い。薄桜鬼の土方さんのパネルは、期待とは違いなかったです。ヒジカタくんグッズは売店に豊富にありました。五稜郭は上空から見下ろすと形が綺麗にみえて素敵でした。

そして、五稜郭奉行所跡へ。復元された建屋の内装は木材が豊富に使われていました。見学可能な範囲はどこも和室で、薄桜鬼の蝦夷に転ってからの場面に登場するような洋間はどこにも見えなかった。当時は洋室があったのでしょう。復元展示されていません。奉行所の受付係りの女性に、伊庭八郎や土方歳三の遺体が埋葬されたと伝わる場所を尋ねたら、お土産屋さんの前のこんもりと盛り上がった木の生えた場所を教えてもらえました。

たぶんこのあたり。横から見ると、かなり大きな土饅頭。そこに樹木が育った。柔らかな温かい光が射して美しい場所でした。

光の射し方が美しい時間帯でした。お気に入りの写真。

お友達と土塁を少し歩いて五稜郭を後にしました。近くの六花亭カフェが素敵でした。お土産を買うのに最適かも。

ベイエリアに戻って、日暮れまで倉庫街をぶらぶら散歩。Go toお土産チケットを使える場所が限られていてお店を探すのに苦労しました。函館に実際来るまで、金カムビールや金カムスタンプラリーがあると信じていたのに、何もなくて残念でした。私が訪れた当時は、ゴールデンカムイの本誌では、箱館が舞台になっていなかったからかな。アイヌの史料をみたかったけれど、博物館にも立ち寄らずでした。残念。

あと、函館観光案内所に薄桜鬼の土方さんが描かれた観光用マップがあるとわかっていたのに、結局入手できないまま空港に戻りました。あー残念。土方歳三を至る所に感じる旅行でしたが、マシューペリー提督や石川啄木が居たことがよくわかる場所でした。旅行から帰ってから暫く「ペリーさん」マイブームが起きました。

函館の滞在は二日間。その間に札幌では外出自粛令がでるぐらい、コロナ感染者が増えて東京に戻ったあと、首都圏もロックダウンに突入したことを記憶しています。函館湯の川プリンスホテル渚亭はコロナ対策が行き届いて滞在中ゆったりと過ごせました。大海原を眺めながら露天風呂に浸かって日頃の疲れも落とすことが叶いました。また行きたいです。

 

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