ブログ【小説更新情報】幕末股間若衆

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皆さん、こんにちは。

奇譚拾遺集の第十二部「幕末股間若衆」をアップしました。

本願寺に屯所を構えていた頃、慶応二年の夏のエピソードです。尾籠な話です。

冒頭の古今和歌集より引用した歌は、紀友則によるもの。女の人の乗った車に声を掛けたけれど、そのまま別れてしまい。その時に詠んだ歌。

腰帯が分かれるように道が分かれてしまいますが、また帯がぐるりと巡って交わるようにお会いできることを願っています。

下の帯は、小説に出ている「褌」とは違い、平安時代の下着の紐の事のようですが、女の人の乗った車と分かれ分かれの道に行ってしまった情景を「下着の紐が別れるように」というのは、初めて路で出逢った女性に用いるにしては、ちょっと尾籠な感じがします。ちょっとだけね。

古今和歌集には恋の歌が多くて、とてもロマンチックですが、珍しくこういう少しお下劣な下ネタ表現もあるのだなと偶々覚えていて、今回の平隊士「藤本伊之助」さんのイメージが出来ました。藤本伊之助は私が作った架空の隊士ですが、誠実で実直で人柄が良い。剣の腕はいまひとつだけれど、とても真面目で新選組が大好きな平隊士。そんな善人の藤本さんが災難に遭って、めぐり巡って再び新選組と関わるという話です。

久しぶりに、小姓二人の日常を描きたいと思い立って、書き始めた今回のエピソード。屯所内で適当に雑務の手を抜きながら、時に幹部にからかわれたり、千鶴ちゃんに叱られたり、平隊士を観察したりと小姓生活を満喫している様子を描くことから初めて、藤本さんが登場して話は広がり、物語の主軸は斎千に移っていきました。

モブ隊士の話は、習作を書いた中にも短いエピソードが多々あります。なかなかシリーズ本編に組み入れることが出来ないものばかり。また何かの機会に発表出来たらいいなと思っています。ここ最近、旧いパソコンに残っていたテキストファイルの整理をしていて、没ネタファイルの中身を見たら、源氏物語のパロディを薄桜鬼のキャラで書いたものが出て来ました。

宇治十帖の一部分。薫(朔はじめの君)、匂宮(三宮さま)、大君(千鶴)、中君(小鈴)で、匂宮は勿論総司君です。亡き光源氏は土方さん。宇治に出掛けた朔の君は、大君と中君を見かけて一目惚れしてという設定。でも、中君の小鈴ちゃんが匂宮にちょっかいを出されて、という場面を書いていると、小鈴ちゃんは、中君に合わず違和感ばかりで、途中で千鶴ちゃんをもう一人、幼くて明るい性質の部分を表面に出した中君にして、大君は、ずっと大人っぽい思慮深い原田さんルートの千鶴ちゃんで描くように方向転換。

薫(はじめの君)が恋に強引にならない生真面目で朴訥な感じ、匂宮の総司くんの色っぽく華やかで我儘な感じがぴったりあっていたのですが、千鶴ちゃん二役は無理があって途中で断念。薄桜鬼の女性キャラは、源氏物語に嵌まるので千姫や君菊さんを登場させてとも思ったのですが、薫と匂宮がこれらのキャラを手玉にとるというのも無理があって。

カズキヨネさんの描く美しい絵で、平安装束の薄桜鬼キャラを描いたものが見てみたいものです。

自分で書いたものですが、年数が経っていることもあり、とても不思議に思いました。着想は面白いけれど、本当に無理がある。源氏物語はイメージやモチーフ、インスピレーションの宝庫です。いつか、このボツネタも書き上げることが出来たらなと思いました。それでも無理かあ。

朔の君。斎藤さんは薫にぴったりです。夕霧(光の君の長男)にもぴったりはまります(あくまでも私の私見)。夕霧の「野分」の場面が大好きで、明暁シリーズの「津島君」を夕霧に見立てて、野分っぽい場面を描いたのが、「夢の女」の厠の窓から縁側に立つ千鶴ちゃんを見詰める場面。津島君は、明治後期の近代の若者(浪漫的)っぽく描いていますが、恋愛の熱情に酔いしれてしまう部分は、源氏物語の登場人物により嵌まり易いかもしれません。

頭の中将と源氏の君との恋のさや当ても楽しく、土方さんと総司君、はては風間千景さん原田さんで想像してみるのも楽しい。ただ如何せん、肝心の女性キャラが薄桜鬼には少ないので、千鶴ちゃんたちに二役、三役を当てることになります。これだけはオリジナルキャラを持ってくるのも難しい。二次創作の範疇を超えてしまいます。ただ想像するだけでいいかも。

すみません、源氏物語のことを書いていたら止まらなくなってきました。数年ぶりに源氏物語マイブームが来ているのです。

また戊辰シリーズの合間に、屯所時代のエピソードをアップしたいと思っています。

それでは皆さん、本格的な夏までもう少しですね。銀星の抄ももうすぐリリースですし、楽しみがいっぱいです。

ちよろず

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