皆さん、こんばんは。

銀星の抄発売カウントダウン第五弾、「鬼谷」をアップしました。

風間千景ルートED後のお話。西国の鬼の郷に嫁入りした千鶴ちゃんは、嵐の夜になかなか寝付けず。風間さんが伽をします。

「鬼谷に落ちて鬼になる」は伽婢子（おとぎぼうこ）からお借りしています。巻三の二。伽婢子は江戸中期に編まれた絵草子で、仏教的、中国故事的な怪異譚が多く入っています。人が鬼の姿になってしまう昔話や伝承は多いですが、このお話の孫太郎さんは人として行いが悪く、その報いを受けてしまった寓話的な物語。所々に滑稽な部分があって、挿絵も孫太郎がひょろひょろに全身を伸ばされた姿などが描かれていてとても面白い。

今回、初めての風千で、とても緊張しながら書きました。風間さんルートは、ED後に鬼の郷に輿入れする千鶴ちゃんをずっと想像していて。二人の鬼の郷での生活は、千鶴ちゃんが鬼の仕来りを覚えながら、徐々に鬼世界に慣れていって、風間さんは数限りなく千鶴ちゃんの全てを優しく包みこむような。そんな甘い二人の結婚生活が思い浮かびます。

全体の雰囲気では、奇譚拾遺集に編もうかと思いましたが、斎千要素がないので、小品集に分類しました。風間さんと千鶴ちゃんが添い遂げていく姿を、また機会があれば描いてみたいです。

読んで下さってありがとうございます。

ちよろず